響くんとは付き合いません!!




「ねぇ……前みたいに抱きしめてくれないの?」



ここちゃんの甘く、とろんとした声。

聞きたくないけど、気になって耳を塞ぐことができない。



「気分じゃねぇから」



響くんの冷たい声に、なぜだかほっとしてしまう自分がいる。



「ひーくん…最近冷たいね?私のこと、嫌いになっちゃった?」



カーテンの向こうから、またリップ音が聞こえてきた。

そうするとまた、ざわざわと胸が騒ぐ。



「……なに?さっきから誘ってんの?そんなに抱かれたいならこの場で脱がしてやろーか?ん?」

「いいよ?私、ひーくんとまたひとつになりたいな」



カーテンの向こうに見えていた影が、ひとつからふたつになった。

身体を起こした響くんと、ベッドに座る心美ちゃんの影が向かいあう。



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