はつ恋の君をさがしてる
「よし!行こう!」

玄関でいつものベージュのパンプスを履き、姿見で最終確認をする。
シフォンのやわらかいブラウスに膝丈のスカート、肌寒くなってきたのでモスグリーンのカーディガンを鞄に入れて部屋を出る。
職場では事務服を着るから出勤時はわりとみんな自由だ。

アパートよりは近くなったけれど、ついつい習慣でいつもの時間に部屋を出てしまった。
鞄には今朝作ったお弁当が入っている。
部屋には高嶺さんの分のお弁当も置いてきた。
昼までには帰ってくると聞いたから、もしかしたら食べてもらえるかも?と思って作ってしまった。

駅までの道のりが普段と違うからちょっと楽しい。
月曜日はいつもならかなり憂鬱なんだけどなぁ?
不思議だなぁ?

そして職場には当然いつもより早く着いた。

更衣室でグレーのチェック柄のベストと濃紺のスカートの事務服に着替える。
パラパラと出勤してきた人たちに挨拶しながら総務課に向かう。

「やっぱり早すぎるかな?」

ちょっと不安になりつつも総務課のドアを開けるとすでに早番の人が仕事を始めていた。

「すみません。引っ越したので届けを出したいんですが?」
遠慮がちに声をかけると入り口近くにいた女性がすぐに近寄ってきてくれた。
転居届けの用紙をもらって説明を受けてから自分の働く課に戻る。

事務室にはすでに大半の人が出勤してきていて朝からにぎやかだった。
私は貰った転居届けの用紙を机の引き出しに入れるとパソコンの電源を入れて始業の準備を始める。
少し遅れて慌てたように入ってきた芽衣子と苦笑いで朝の挨拶をかわす。

そして始業のベルがなる。
さぁ!今日も仕事開始だ!
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