はつ恋の君をさがしてる
「澤田さん、ちょっと良いかしら?」
先輩社員の須藤さんに声をかけられたのは終業まであと少しという時間だった。
「はい。なんでしょうか?」
素直に返事を返すと須藤さんは私を促すように歩きだしたのであわててあとを追う。芽衣子の心配そうな視線を感じてちらりと振り返り苦笑いをかえしておいた。
案内されたのはフロアーの端に位置する会議室だった。
須藤さんは部屋の前で課長に呼ばれていることだけは教えてくれたが、先月赴任したばかりの新任課長とはまだあまり会話らしいものをしたことがなくて、途端に緊張する。
ノックする須藤さんに中から返事があり、続いて中に入った。
会議室の中には課長だけでなく、顔を見かけたことしかない副社長までもが座っていた。
その他にも役職者がずらり……。
これはいったい!?
緊張しすぎて動くこともできなくて閉まるドアにすがりたい気分だった。
「君が澤田さんか?」
副社長の言葉にとにかく頷く。
とりあえず座るように言われて、須藤さんと座る。
「早速だが、今回の過払いを発見してくれたのは君だそうだね?状況を説明してくれ。」
「は……はい。」
私は震える声で自分が見つけた時のことを話した。
途中で何度も質問をはさまれながらも話終えてほっとする。
「なるほど。澤田さん?君は直接は支払審査に関わるような仕事をしていないと聞いているが?なぜ計算が違うと分かったんだ?」
なんだか責められているような温度の無い言葉に身がすくむ。
それでもなんとか返事をしようと口を開きかけたところで、隣の須藤さんから声が上がった。
「確かに澤田さんは審査に直接は関わってませんが、毎日処理済みの書類をスキャンして分類して整理しているのは彼女です。彼女は誰よりも真面目に講習や周知にメモを取って熱心に勉強していますし、これまでにも彼女は未払案件の発見や誤発送を阻止してくれています。彼女が我が課の最後の砦になってくれています。」
須藤さんの言葉に私ははっとした。
今までそんなつもりではなくて、普通に当たり前にしていたことを、須藤さんがそんなふうに感じていてくれたことに嬉しさと恥ずかしさを感じて顔が上げられない。
先輩社員の須藤さんに声をかけられたのは終業まであと少しという時間だった。
「はい。なんでしょうか?」
素直に返事を返すと須藤さんは私を促すように歩きだしたのであわててあとを追う。芽衣子の心配そうな視線を感じてちらりと振り返り苦笑いをかえしておいた。
案内されたのはフロアーの端に位置する会議室だった。
須藤さんは部屋の前で課長に呼ばれていることだけは教えてくれたが、先月赴任したばかりの新任課長とはまだあまり会話らしいものをしたことがなくて、途端に緊張する。
ノックする須藤さんに中から返事があり、続いて中に入った。
会議室の中には課長だけでなく、顔を見かけたことしかない副社長までもが座っていた。
その他にも役職者がずらり……。
これはいったい!?
緊張しすぎて動くこともできなくて閉まるドアにすがりたい気分だった。
「君が澤田さんか?」
副社長の言葉にとにかく頷く。
とりあえず座るように言われて、須藤さんと座る。
「早速だが、今回の過払いを発見してくれたのは君だそうだね?状況を説明してくれ。」
「は……はい。」
私は震える声で自分が見つけた時のことを話した。
途中で何度も質問をはさまれながらも話終えてほっとする。
「なるほど。澤田さん?君は直接は支払審査に関わるような仕事をしていないと聞いているが?なぜ計算が違うと分かったんだ?」
なんだか責められているような温度の無い言葉に身がすくむ。
それでもなんとか返事をしようと口を開きかけたところで、隣の須藤さんから声が上がった。
「確かに澤田さんは審査に直接は関わってませんが、毎日処理済みの書類をスキャンして分類して整理しているのは彼女です。彼女は誰よりも真面目に講習や周知にメモを取って熱心に勉強していますし、これまでにも彼女は未払案件の発見や誤発送を阻止してくれています。彼女が我が課の最後の砦になってくれています。」
須藤さんの言葉に私ははっとした。
今までそんなつもりではなくて、普通に当たり前にしていたことを、須藤さんがそんなふうに感じていてくれたことに嬉しさと恥ずかしさを感じて顔が上げられない。