はつ恋の君をさがしてる
「なぁ?鈴加。そろそろ俺たちちゃんと結婚しないか?」
「え?あの……」
不意討ちみたいな切り出しに焦る。
「一緒に暮らし始めて3ヶ月。お試し同居はそろそろやめにして、ちゃんと夫婦にならないか?」

はい?何で急に?
どう見てもいつもの冗談とは思えない真剣な顔でじっと見つめられて焦る。

「なぁ?鈴加は俺と暮らしてどう思ってる?俺と一生を共にする未来を想像してみたことはないのか?俺はあるぞ?今の暮らしがずっとこの先も変わらず続く未来。」

「だから鈴加。そろそろ考えてみないか?」

そう言われて、私はひたすら考えた。
考えすぎて訳がわからなくなるくらいに……

だから驚いた。
本気で驚いた。

私…いつの間にお店に?

と言うか、あのあとどうなったのかも思い出せない……。

どう言う経緯でここに?

「あの……ごめんなさい。私本気でぼーっとしてたみたいで、どうやってここまで来たのかわからないんですけど?」

取り皿に取り分けてもらった焼きそばを受け取りながらも、情けない声で高嶺さんに問いかけてみる。

高嶺さんは一瞬目を見開いた後で、なんとなく察したような表情で苦笑いすると、私の頭に手を乗せてわしゃわしゃと髪を撫でた。

「なるほど。ここに来るまでの間に三回も躓いたのも、俺の話に適当に頷くだけだったのもそう言う訳か!鈴加はちゃんと俺の言ったとおりに考えてくれてたわけだな?」

「でもって、俺の話を最後まで聞いてなかったわけだ?」

最後まで?

意味がわからなくてきょとんと首を傾げてしまう。

「その様子だとやっぱり聞いてないな?」

高嶺さんはちょっと拗ねたようにそう言ってモリモリと料理を食べ始めてしまう。
私も負けじと唐揚げを口に放り込んだ。
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