はつ恋の君をさがしてる
「なぁ?大丈夫か?」

心配してくれてるのはわかるけど、私は情けなくて恥ずかしくて返事もできない。

きっと呆れてる。

二十歳過ぎた良い大人が注射器が怖くて気絶するなんて……。

「頭痛がするんだっけ?他は?吐き気はないか?なぁ?言ってくれなきゃわかんないだろ?」

黙りこんだ私に高嶺さんは優しく問いかける。

それでも返事をしない、できない私。



沈黙を破ったのは看護師の花井さんだった。

「平原先生!気が付いたばっかりなんだし、そんなに矢継ぎ早に聞いちゃダメですよ!とりあえず血圧はかりますね~」

花井さんは私にゆっくり話しかけながら血圧をはかる。

その数値にちょっと低いなと高嶺さんの呟き。

思わず低血圧なんです!と言ってから、しまった!と思う。

けれど、高嶺さんはそれなら良いとすぐに興味を失ったような口調。

なんだか面白くない。
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