はつ恋の君をさがしてる
「頭痛に喉の腫れ、それから発熱。まぁ風邪だよねぇ」

のんきな口調で私に同意を求めてくる男の人。

高嶺さんが同じ病院で働く内科医の相良さんだと紹介してくれたけれど、なんだかこの人軽い感じがして好きじゃない。

高嶺さんとは軽口を叩き合うくらいに仲良しみたいだけど、この人見た目と中身にギャップがありそうな気がする。

何も言わない私にずっと笑顔を向けていたのに、高嶺さんに振り返ったときには真顔に戻っている。

「とりあえず様子見でいいんじゃない?まだ熱が上がるようなら解熱剤処方するけど?高嶺の家に無いのか?」

「たぶんあるはずだ、ちょっと見てくる。」

高嶺さんは立ち上がってその場を離れていく。

相良さんと二人きりになってしまった。

「高嶺に聞いたけど、高嶺の親父さんのクライアントなんだ?どんな内容?」

なんでこんなことを聞かれるんだろう?
そう思ったけれど、素直に両親や祖父母を亡くして未成年後見人を頼んでいたことを話した。

「なるほど、そう言うお客さんか……。ごめん。変な客なら高嶺に近付かせたくないなぁって思ってた。」

相良さんはそう言うと私に頭を下げた。

「高嶺は僕の大切な親友なんだよ。だからつい心配でね。病人の君にまで疑うようなこと言って、本当に悪かったね。」

でも。びっくりしたよ、高嶺が女の子抱っこしてるのも、この部屋に女の子連れてきたのも初めて見たから。

相良さんは今度はちゃんと笑顔でそう言った。
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