はつ恋の君をさがしてる
寝てろと言われても……

苦手な病院で素直に寝ていられるわけがない。

「あのぅ、高嶺さん?帰っちゃダメですか?

恐る恐る聞いてみた。

高嶺さんは途端に少し怖い顔をして何か言おうとして…でも、すぐに口をつぐんだ。

そしてちょっと考え込んでから、ごめん…と小さくそう言った。

なんで謝るんだろう?

謝るのは迷惑かけっぱなしの私の方なんだけど?

なんだか気まずい沈黙。

それを打ち破ったのは、やはり相良さんだった。

いきなりガラッと病室の引き戸を開けて現れたのは、ちょっとよれた白衣を着た相良さんで、起きていた私を見るとニカッと笑った。

「おっ!目を覚ましたか~良かったなぁ高嶺!めちゃくちゃ心配して寝れなかったもんなぁ?」

かなり冷やかすような口調で高嶺さんにそう言いながら、首から外した聴診器で私の診察を始める。

「うん。昨夜よりは呼吸も落ち着いてきたね。気分はどうかな?」

高嶺さんの家で会ったときよりちゃんとお医者さんの顔をしている相良さんにちょっと戸惑う。

それがそのまま顔に出ていたのか?
相良さんが笑いだした。

さらに続いて高嶺さんまで……。
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