はつ恋の君をさがしてる
「鈴加ちゃ~ん?すずちゃ~ん!イイコだからそろそろ出てきてやってよ~」
「鈴加さん!何があったかは知りませんが、閉じ籠っていては話し合いもできませんし、心配ですから顔だけでも見せてくださいませんか?」

ドアの外から聞こえてくる相良先生と実咲さんの声に驚いて重い瞼を開く。
まだ見慣れない部屋の新しいベッドにもたれたまま座り込んでいて眠ってしまったようだ……
痛っつ……変な体勢で寝たせいであちこち痛い。
凝り固まった体をほぐすようにしながらもなんとか立ち上がる。
時計を確認したらすで13時近い……
ウソでしょ?

昨夜は高嶺さんのバカにしたような笑いに腹が立って部屋に籠城し、寝つけなくてウジウジと色々考えていたから自分でもいつの間に寝たのか?わからなかったが、だからと言って昼過ぎまで寝るなんて……。

恥ずかしすぎる!!
穴があったら入りたい!と言うより埋まりたい!

なのにドアの外にはなぜなのか?相良先生と実咲さんが居るようだし……
これは出ていかないとダメだよね……。

かなり躊躇したものの、覚悟を決めて鍵を回した。
途端にすごい力でドアを押されてよろけて後ろに倒れそうになる。
それを力強い腕が引き寄せてくれたので、ほっとして顔を上げた。
その腕の主は見るまでもなく高嶺さんだった。

「良かった…。」

私を抱きしめたままでしゃがみこんだ高嶺さんが耳許で呟いた。
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