眩しさの中、最初で最後の恋をした。
二人は明るい色の服や小物が並ぶお店に入ると、アレこれ楽しそうに見始めた。
女子らしい買い物の風景に見える。
そんな二人を眺めていると
「今更ながら思った、俺ら怪しい?!」
俺を振り返って、ショックみたいな顔をする蒼に、俺は同意を示した。
「まぁ、そうなるだろうな……」
するとガックリ肩を落としつつ、蒼は言った。
「何となくあの水色の花柄ワンピな気がするから、離れるか……」
「そうだな、それが良いだろ」
そうして離れる間際、振り返ると有紗はレモンイエローのスカートを持っていた。
その色は有紗らしい明るい色だった。
そこから離れると、俺たちはドーナツ屋さんでお茶をしていた。
すると、しばらくしたら買い物を済ませた二人もやってきた。
入口を背にしている蒼は気付いていない。
二人はドーナツと飲み物のトレーを持ち、少し離れた席に座った。
「蒼、日菜子と有紗も来たぞ。お前の斜め後ろ」
そう言うと、チラッと振り返って確認した蒼は
「ちょっと、バレないようにするしかねぇな……」
幸い、ここは男でも入りやすく既に何組か居るので怪しくはないだろう。
すると、日菜子と有紗の会話が聞こえてきた。