眩しさの中、最初で最後の恋をした。
それに気付いて、俺は少なからずへこんだ。
有紗の態度の意味するところを考えれば、俺の気持ちを伝えても、有紗がそれに応えてくれる可能性が低いと気付いたからだ。
それでも俺は諦めきれない。
今の距離から、少しづつでも彼女に近づきたい……。
出来れば蒼や日菜子みたいな関係になりたい。
でも、有紗はそれを望んでいない気がする……。
ならば、ゆっくりやって行くしかない。
俺は、覚悟を決めた。
少しでも有紗と近くなれるように。
でも拒絶されたら困るから、少しづつ、一歩ずつ距離を縮めていくことを。
明日のダブルデートはその一歩になるだろう。
楽しめる様に、俺は有紗をよく見ていようとその後も楽しそうに会話している二人を眺めながら明日へと思いを馳せていた。