眩しさの中、最初で最後の恋をした。
絶妙な会話を繰り広げたあと、お姉ちゃんとリビングに戻り家族とご飯を食べる。
その後はお風呂に入り、部屋に戻って一息ついた頃。
また、部屋のドアをノックしてお姉ちゃんが来た。
「ん?何かある?」
そう聞くと
「はい、これ。有紗にあげるわ」
そう言って差し出されたのは、お姉ちゃんが大事にしていたオープンハートのネックレス。
「え?これ気に入ってたじゃない!」
びっくりして言うと
「気に入ってたけど、ちょっともう付けるには可愛すぎるわけよ!だから有紗にあげるわ」
チェーンの留め具を外し、私の後ろに回るとネックレスを首にかけ付けてくれる。
付け終わると、お姉ちゃんが前に回ってきて納得の表情で一つ頷くと
「うん、やっぱりもうこれは有紗の方が似合うわね!あげるから付けて行くといいわ」
ポンと肩を手を置き、ウィンク一つするとお姉ちゃんは離れてドアを開けつつ振り向いて一言。
「ふふ、有紗!それさ、宏樹とのお付き合いにも縁のあった物なのよ。恋愛のご利益はお墨付きよ。有紗も恋をしなさい。人を好きになるって素敵な事なの。だから、初めから諦めちゃダメよ」
そう私に言ったお姉ちゃんは、いつになく真面目な顔をして言った。
特に話していた訳では無いのに、私が諦めてることを分かっていて、今回のお出かけを聞いてこのネックレスか。
気持ちは有難く受け止めよう。
だから、ネックレスに触れながら私は心から返事をした。
「ありがとう、お姉ちゃん」