眩しさの中、最初で最後の恋をした。

すると、お姉ちゃんは柔らかく微笑んで

「明日は楽しんでらっしゃい」

そう告げて部屋を出て行った。

私自身も明日のお出かけは楽しみだったので、色々考えつつもベットに入り眠りについた。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

翌朝は梅雨の中休み。
晴天に恵まれてむしろ、暑いくらいになった。

「おはよう」

着替えてリビングに降りれば、姉はサービス業なので今日も出勤スタイル。
父と母はゆったり休日モードだった。

「おはよう、有紗。ご飯今並べるわね」

そう言うと母はキッチンへ。
私はダイニングテーブルの自分の席に着くと、向かいの父が声を掛けてきた。


「今日はお友達とお出かけなんだろう?楽しんでおいで。もし何かあれば遠慮なく電話してな?」

父も何かと、末っ子の私に甘い。

そんな会話の脇で出勤準備を整えた、お姉ちゃんが

「あ!忘れてた!はい、有紗。お姉ちゃんからささやかに。今回は特別よ!」

そう言うとお姉ちゃんはポチ袋をパシッと渡してきた。

「え?お姉ちゃん、いいのに!」

「有紗は普段無駄遣いしないけど、昔の私みたいにバイトしてる訳じゃないしね!お出かけの足しにしなさい。じゃあ、私は行ってきます!」


そう言うと、お姉ちゃんはバタバタと出勤して行った。
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