初恋の君と、最後の恋を。
黒瀬先輩と2人で公園のベンチ。
嬉しいシチュエーションなのにな。
「俺と目を合わせないね」
「……いえ、そんなことは…」
「なにかあった?」
あ、ありましたとも!
でも立ち聞きしていたなんてことは言えない。聞いてしまった内容を口にすることも嫌だ。
「今朝の鈴宮先生と俺のこと?」
「え?」
「聞いてたって、希人が」
はあ?
「相馬先輩、ペラペラと喋ったんですか!?」
「まぁ、そういうことになるかな」
なんてことだ…。
ええい、聞いてやる!
「…鈴宮先生とはどういう関係ですか」
「昔からよく知っている女性。それだけだよ」
静かに先輩は答えてくれたけど、私には誤魔化す言葉にしか聞こえない。
「親しそうでしたよ、随分と」
「そんな風に見えたかな」
肯定も否定もない返事。
そうだよね、例え私が黒瀬先輩と鈴宮先生の仲を勘違いしたとしても、彼には取るに足りないことだ。
必死に弁解する必要がないもんね。