初恋の君と、最後の恋を。

黒瀬先輩と2人で公園のベンチ。
嬉しいシチュエーションなのにな。



「俺と目を合わせないね」


「……いえ、そんなことは…」


「なにかあった?」


あ、ありましたとも!
でも立ち聞きしていたなんてことは言えない。聞いてしまった内容を口にすることも嫌だ。



「今朝の鈴宮先生と俺のこと?」


「え?」


「聞いてたって、希人が」


はあ?


「相馬先輩、ペラペラと喋ったんですか!?」


「まぁ、そういうことになるかな」


なんてことだ…。


ええい、聞いてやる!




「…鈴宮先生とはどういう関係ですか」


「昔からよく知っている女性。それだけだよ」


静かに先輩は答えてくれたけど、私には誤魔化す言葉にしか聞こえない。


「親しそうでしたよ、随分と」


「そんな風に見えたかな」


肯定も否定もない返事。

そうだよね、例え私が黒瀬先輩と鈴宮先生の仲を勘違いしたとしても、彼には取るに足りないことだ。

必死に弁解する必要がないもんね。

< 121 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop