初恋の君と、最後の恋を。

家に帰りたくなくて近所の図書館で小説を広げる。

優しい両親と帰る家があって私は恵まれている。
たくさんの幸せを家族からもらっているはずなのに、"恋"だけは許されない。


小説の中の男女のように燃えるような恋を、嫉妬で気が狂いそうになる愛を知りもせずに、私はーー




「やめよう」


何度考えても答えは出なかった。


今は黒瀬良斗ただひとりに、
夢中になっていたい。




小説を閉じて英語の参考書を開く。



イヤホンから聞こえる英単語の渦に混乱しながらも、ペンを握った。

< 13 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop