初恋の君と、最後の恋を。
温かい背中に額をつける。
彼の纏う雰囲気がいつもの柔らかいものに戻った。
その冷たい目で射抜かれると、息することも辛かった。それでも馬鹿みたいに好きだと喚いて。
鈴宮先生に可哀想と思われて当然だよね。
「先輩にこっぴどくフラれれば諦められると思っていましたが、やっぱり無理でした」
「そのようだね」
「…やっぱり私のためを思って、辛辣な言葉でフッてくれました?」
「君の要望に応えたつもりだけど?」
全身の力が抜けていくようだった。
私のためを思って酷い言葉を並べてくれたのだ。
すごくこたえた。
辛かった。
もう二度とそんなお願いはしない。
「良かった…」