初恋の君と、最後の恋を。
腫れ物に触るように誰も彼女に声を掛けなかった。
まぁ面倒なことには関わりたくないんだろうな。
私も同意見と言いたいところだけど、
彼女のことをよく知っているため放ってはおけなかった。
イヤホンをバッグに戻して、勢いよく外に立つ。
「ねぇ、なんで電話無視するわけ?」
雅美の前に腕組みをして立つ。
「あ?アンタまだいたの?りゅうが…」
余計な単語を吐き出しそうになる雅美の口を慌ててマスクごと塞ぐ。
「放課後、雅美の家に行くから!」
「勝手に決めるな」
形の良い整えられた細い眉を思いっきり歪ませる。
彼女とは小学生の頃からの幼馴染だ。
彼女が非行に走るずっと前からよく知っているため、怖いという感情よりも呆れることの方が多い。
「とにかく放課後ね!」
雅美の肩を叩き、席に戻る。
クラスの視線が今度は私に注がれていたが、黒瀬先輩にアタックしている無謀な女というレッテルを既に貼られているため、少しも気にならなかった。