初恋の君と、最後の恋を。

手を繋いで歩く。
私の家まで送ってくれるという好意に甘えた。

明日からはまた毎日会える。
始業式が待ち遠しいなんて始めてだよ。


「君のご両親に謝罪に行く日なんだけど、」


「それなんですけど、当分は良いかなっと。昔から先輩のことをよく知っているってお父さんが言っていました。けれど仁くんの気持ちを考えると、すぐには難しいそうです」


「それでも謝罪だけはすべきだと思う。認められるまで何度も通うつもりだけど、まずはきちんと謝りたい」


誠実な意見に、黒瀬先輩がどれほど私とのことを大切に考えてくれるかが伝わってくる。


「それなら次、父が帰国する時に黒瀬先輩に連絡しますね。母もその方がいいと思うので」


「分かった」


「でも仁くんにその気がないのに待たせてしまった私が悪いって、両親も思っています。日本に残った理由が黒瀬先輩だと知って、母はもう何も言いませんでした。全部私のワガママで起きたことで…」


「ひとりで背負わないで。これは俺たち2人の問題だから」


「……はい」


私の家が見えてきた。
明日から毎日会えるというのに、名残惜しい。

この手を離したくない。


「寂しいですけど、もうここで大丈夫です」


「名残惜しいね」


力を込めて握り直してくれた手。



どちらからともなく、2度目のキスをした。




離れた唇。

それでもまだ彼は私の唇を人差し指で弄んでいる。


「離したくないな」


「…先輩からそういうこと言ってくれるなんて、もう奇跡です」


「好きなんだから仕方ないでしょ」


拗ねたように言う先輩が可愛くて、思わず抱き着く。


「黒瀬先輩、大好きです」



触れられる幸せを噛み締めながら、

再び唇を重ねた。


先程よりも長くーーーー


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