初恋の君と、最後の恋を。
自分らしく生きる雅美をずっと羨ましく思ってきた。
両親の望む生き方をしている己を後ろめたく思ってきた。
ずっと息苦しかったけれど
ーー先輩の言葉に救われた。
胸にあるモヤモヤが全て吹き飛んでいく勢いだよ。
「私の初恋が、あなたで良かった」
「そうかな」
「私、黒瀬先輩を想う気持ちに嘘はありません。でもあなたに言えていないこともあります」
重ねた手は拒絶されず、そのままでいてくれた。
「いいんじゃない?それで」
「え?」
「話したい時に、話せば良いよ」
そっと手を離した黒瀬先輩は身を乗り出して、私の頭を撫でてくれた。
「無理しなくていいよ」
優しい言葉と、優しいぬくもり。
私はもう、黒瀬先輩以外を好きになれない。
そう確信してしまった。