初恋の君と、最後の恋を。
目が合う。
睨んでいるはずなのに、綺麗な茶色の瞳に吸い込まれそうになる。
「俺、同じ世界史の教科書持ってるから」
「だから何ですか?」
「俺が1年の時に使ってた教科書、君にあげるよ」
「はあ?残念ながら、自分で破ったのでいりません!」
あなたとは違う。
私はこの手で、破り捨てた。
もう2度と開かない覚悟で。
「あー、そうなんだ。ところでコレはもう消えないよね?」
溜息をつきながら広げた教科書を太陽にかざす。
「怒ってないんですか?」
「誰の仕業か見当がつかないから、怒りの矛先をどこに向けたら良いか分からないだけだよ」
「明日も明後日も、同じことされるかもしれないけど。先輩は耐えられるんですか?」
微笑みの下に怒りを隠してるとは思えない穏やかさだ。
その余裕な態度に、少しムカついた。