初恋の君と、最後の恋を。
先輩は膝を下り、私と目線を合わせて言った。
「まぁ負けたままではいられないから、平然としてるよ。それが1番ムカつくでしょ、やった本人からしたら」
「余計に嫌がらせされるかもよ?」
先輩相手にタメ口になっていることも気にせずに、突っかかる。
私の怒りの矛先は自分自身で、それを黒瀬先輩に向けることは間違いだと分かっているけれど、口が塞がらない。
「影口だけじゃなくて、登校したら靴が隠されてたり、体操着がなくなってたり。クラス中から無視されたりーーそれから、」
「ありがと」
「は?」
「アドバイス、ありがとう」
「昔、イジメられてたから。そういうことには詳しいの」
投げやりに言ってやる。
相手の反応は知っている。
"可哀想"
"でもイジメられる方にも原因はあるよね"
そんな目で、みんな私を見るんだ。
けれど、
黒瀬良斗という人は、
「君は強いね」
そう優しげな目で笑ったのだ。
優しい微笑みに、胸が苦しくなった。