初恋の君と、最後の恋を。
これから家庭教師のアルバイトのようで、先輩はいつもとは違う駅で降りた。
「本当に付いてくるの?」
「お見送りをさせて頂くだけですよ」
隣りを歩いていると、すっごく良い香りがする。
柔軟剤なのかシャンプーの香りなのか、それとも香水なのか…どちらにせよ同じ香りが欲しいな。
…って、さすがに変態だよね。
「黒瀬先輩はどうして、家庭教師のアルバイトを?」
「家庭教師というか、中学生を対象に事情があって学校に行けない子達に勉強を教えてるんだ。学校に行っていない後ろめたさはあるけれど、勉強だけでもきちんと追いついていると思えることは精神的な部分でだいぶ違うと思う」
カッコいい。
アルバイトの中身も理由も先輩らしくて。
話せば話すほど、黒瀬先輩の魅力に気付かされる。
「黒瀬先輩、好きです」
横に並ぶ彼の横顔に、迷わず愛の告白を投下した。