ワケありヤクザと鈍感少女
そんなやり取りをしていると、突然
部屋の玄関のドアを強く叩く音が響く。
「・・・こんな時間に誰」
時計の針は0時を回ろうとしている。
玄関に向かおうとした私の手を彼が引っ張る。
「・・・ちっ。やっぱきたか。
沙綾、お前はここに隠れてろ。声も出すな。
・・・これも頼む。」
低い声でそう言うと首につけていた
ネックレスを私に託し、
ベッドの近くにある押し入れへと、私を隠す。
「響也・・・さん」
「すぐ終わらせる。」
そう言い残すと、響也さんは玄関の方へと向かう。
私は強くネックレスを握りしめた。
ギィ・・・
玄関のドアを開ける音だけが聞こえる。
「よくもまあ、こんな一般住宅に…
流石は響也だなあ。さっきのでてっきり
あの世に逝ったと思ってたよ。」
ドスの効いた低い声が部屋に響く。
「・・・あんなので死ぬわけねぇだろ。
さっきはどうも、野ウサギさん達。」
押し入れのドアを少しだけ開けて声のする方に目をやると、
真っ黒のジャケットに、ド派手な柄のシャツ、
片手にタバコを持った30代ぐらいの男と
響也さんが睨み合っている。
話の内容はよく聞こえない。
相手の男のは、10人程の取り巻きを連れている。
10対1・・・。
響也さんにとって、圧倒的に不利な状況。
負けるはずないと思うけど・・・でも。
考えるよりも先に私の足は勝手に動いていた。
部屋の玄関のドアを強く叩く音が響く。
「・・・こんな時間に誰」
時計の針は0時を回ろうとしている。
玄関に向かおうとした私の手を彼が引っ張る。
「・・・ちっ。やっぱきたか。
沙綾、お前はここに隠れてろ。声も出すな。
・・・これも頼む。」
低い声でそう言うと首につけていた
ネックレスを私に託し、
ベッドの近くにある押し入れへと、私を隠す。
「響也・・・さん」
「すぐ終わらせる。」
そう言い残すと、響也さんは玄関の方へと向かう。
私は強くネックレスを握りしめた。
ギィ・・・
玄関のドアを開ける音だけが聞こえる。
「よくもまあ、こんな一般住宅に…
流石は響也だなあ。さっきのでてっきり
あの世に逝ったと思ってたよ。」
ドスの効いた低い声が部屋に響く。
「・・・あんなので死ぬわけねぇだろ。
さっきはどうも、野ウサギさん達。」
押し入れのドアを少しだけ開けて声のする方に目をやると、
真っ黒のジャケットに、ド派手な柄のシャツ、
片手にタバコを持った30代ぐらいの男と
響也さんが睨み合っている。
話の内容はよく聞こえない。
相手の男のは、10人程の取り巻きを連れている。
10対1・・・。
響也さんにとって、圧倒的に不利な状況。
負けるはずないと思うけど・・・でも。
考えるよりも先に私の足は勝手に動いていた。