ワケありヤクザと鈍感少女
私の手には、

黒く輝く龍の刻印が掘られたぴかぴかの拳銃。

私は驚きを隠せないまま、硬直してしまう。

・・・龍の刻印の拳銃に、

首元に彫られた特徴的な虎のタトゥー。

(もしかして、この人・・・)


彼はヤクザだ。



以前ニュースでしていた 鈴木組 という

名の知れた極悪ヤクザのグループの1つ。

(確か、首に虎のタトゥーがあるのはその組の

組長・・・。)



私はとんでもない人を、

助けてしまったかもしれない。

決して助けてはならない人を・・・

どうしよう。

この人の意識が戻ったら私、殺されるんじゃ・・・。


(まだ死にたくないよ…)





「・・・おい、何震えてんだよ。」
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