伝説に散った龍Ⅰ
「ねえ、咲良」
「来ない、で、やめて、やめてっ!」
「私、弱いものいじめは許せない質でさ」
「いやぁ、いや!」
「ねえ?」
──これ、普通に犯罪だから。
「アンタを殺せば私も捕まるから、そこまではしないけど」
「せ、り、せりなちゃ」
「“社会的死”ならプレゼントできちゃう」
どうする?
呟いて、咲良の鳩尾に左を一発。
私の拳を数回モロに食らってしまった彼女はその場に崩れ落ち
みっともなく
涙を流した。
まるで、自分が被害者みたいに。
「咲良」
「ご、ごめっなさ、ごめんなさいっ」
「アンタのその穢い口は」
──誰のことを、笑ってたの?