伝説に散った龍Ⅰ
新たな声の正体。
先程まで、気づきもしなかった存在に、驚いたのは私だけじゃない。
「せ、な、」
なんで、ここに。
声にさえならなかった言葉が、私の脳を食い散らかしていく。
「芹那…?」
間違いない、この声の、主、それは。
紛れもない、私の、弟。
円堂 世那-セナ-だった、から。
「芹那っ!」
私は、されるがまま
世那に、抱きしめられた。
「世那、お前、その女とどういう関係…」
ふいに、青髪が口を挟む。
「ああ、芹那は俺のねえ「お、幼馴染!ね、世那!」どした、芹那」
姉弟、なんてことがバレたら、最後だと思った。