キミに好きって言えなくて。



案の定、賢也はダッシュで逃げて、吉沢は動けなくなっていた。


俺は最後のチャンスだと思って、
「キャ〜〜〜」とうしろで叫ぶ吉沢の元へ戻った。



小さくて細い吉沢の手。



俺が掴んでも驚かれたけど、まぁ驚くわな。



ビクビクしてもう泣きそうな吉沢に


「えっ?!じゃねぇーよ。

ったく、怖いの苦手なくせに一番後ろにすんなりなってんじゃねぇよ。バカ」



なんて言ってしまう俺。


一番後ろにしたの俺なのに。



そして、それから吉沢はぎゅっと俺の手を握って少しずつ前に進み始めた。



なんか…やべえ。こんなことなのにすごい幸せ。

離したくねぇ…。


なんて俺の気持ちは置いてけぼりで、気がついたらお化け屋敷を出ていた。



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