キミに好きって言えなくて。
「別に大したことじゃないよ!
っていうか、賢也にバカって言われなくないし!」
「だって、バカじゃん!」
「まぁまぁ、どーせ吉沢が考えてんのは、今日のお弁当の中身なんだっけ?
とか、しょーもないことだから、気にすんな」
なんてすぐ後ろの席から、さらに私をバカにするのは決まって綾瀬。
だけど、綾瀬はこう見えて、優しいところもあって…
いわゆる、ツンデレってやつ?
まぁ、デレの割合は日によっては1割とかだけど、
私はそのデレにやられてるわけだ。
「まぁ、陽葵って悩みなさそーだしね!
俺はそんなことより、夏休みが楽しみで仕方ねぇや!」
なんて呑気に笑う賢也に
「その前にテストでしょ?
賢也、赤点取ったら補習三昧の夏休みになるわよ?」
と冷静な希
うわ〜そうだった!
と、私も危機感をおぼえる。