ちゃんと伝えられたら
私は反射的に返事だけしていた。

先に社用車に乗った坂口さんの顔は険しい。

私はびくびくしながら、とりあえず助手席に座った。

どうしたらいいのか分からなくて、うつむくだけだ。

「篠田、お前は隙があり過ぎだ。」

急に坂口さんが声を荒げる。

「…すいません…。」

私の小さな声は坂口さんに届いているんだろうか。

「寺本さんに対してもだが、道人に対してもそうだろう。」

ん?それはおかしいんじゃない?

「誰に対しても隙があるから、みんな勘違いするんだ。」

坂口さんの言っている事に、カチンとくる。

「それはまるで私が悪いみたいじゃないですか!待ち合わせ場所に道人さんを寄越したのは坂口さんじゃないですか。」

今度は私が声を荒げる。

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