ちゃんと伝えられたら
「違うと言い切れるのか?お前が気のあるような素振りを見せるから…、さっきだって寺本さんに…。」

そう言いかけて、坂口さんはぐっと口に力を込める。

「どうしてそういう事になるんですか!私は…、私は…。」

私だけがいけなかったというの?

「俺達は始まってもいなかったのか?俺とうまくいかない事がこんな事ぐらいなのか?」

えっ?坂口さんは何を言っているの?

「お前に俺の気持ちは分からない。」

きっぱりとそう言った坂口さんの表情はそれとは裏腹に戸惑いの色が見える。

「坂口さんだって、私の気持ちを知ろうともしてくれないじゃないですか。ドライブが中止になった事がどんなにショックだったか坂口さんに分かっていますか。」

半泣き状態の私の顔はひどい事になっているんだろう。

「篠田だって、あの日食事に誘ったのを無視したじゃないか。俺のあの時の精一杯だったんだぞ。」

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