ちゃんと伝えられたら
「一緒に住もう。お前の答えを聞いていたらいつまでも決まらない。だからこれは相談ではない、決定事項だ。」

いつも仕事みたいな言い回しになってしまう綾人さん。

それはまるでこのプロジェクトの話が初めて出た会議室の会話の繰り返しのようだ。

「えっ?」

驚いている私の顔をチラリと見ると、綾人さんは言った。

「明日運べる荷物はここへ運ぶ、分かったな?」

そんな綾人さんに私はゆっくりと目を向けた。

そしてソファの上で正座をすると、手をつき頭を深々と下げた。

「こんな私ですけれど、よろしくお願い致します。」

今度驚いた表情を見せたのは綾人さんの方だった。

そして綾人さんは頭を上げた私にそっとキスをした。

それはまるで私達二人の誓いの儀式のように感じた。

「月曜日に出社して、二人で最善を尽くそう。だからそれまではこの事はお預けだ。それまでは…。」

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