ちゃんと伝えられたら
綾人さんがにっこり笑った。

「二人の時間だ。」

つい私の表情も緩んだ。

「二人でたくさん話そう、これからの事を。」

すると綾人さんのスマホが着信を告げた。

「ん?会社からだ。」

綾人さんは怪訝そうに電話に出た。

「坂口です。…はい、ああ…。」

そんな相槌を打ちながら、綾人さんは私をチラリと見て、何か言いたそうだ。

「今、ここに篠田が居ます。はい…、今から二人で会社に向かいます。」

スマホを切ると、綾人さんは私に声を掛ける。

「志保が一日休んだだけで、既に混乱が起こっている。取引会社がすぐにでも欲しい書類があるそうだ。課長の方に連絡が来たらしい。」

スマホの画面を見ながら、綾人さんは笑う。

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