ちゃんと伝えられたら
綾人さんは愛おしそうに私の身体を抱きしめる。

「あっ、綾人さん、会社。会社に行く準備を…。」

「ここはお前の家より近いからもう少し大丈夫。」

ゆったりと流れる朝のこの雰囲気。

「でも朝食は…。」

「今日はいい。お昼も今日は会議帰りに外食しよう。だから…。」

「えっ?」

「もう少しこうして居よう。」

そんな綾人さんの様子に私も穏やかな気持ちになる。

「ん…。賛成です。綾人さん、温かい…。」

「あんまり刺激するなよ。そこまでの時間はないからな。」

私は自分の顔を見られたくなくて、綾人さんの顎にキスをした。

「これで我慢しておきます。」

結局この穏やかさは破られて…。

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