ちゃんと伝えられたら
でも何かが違う。

「弟の苦労が分かるような気がするだろう?料理が出来る篠田なら何かを感じてくれるだろうと思っていた。」

私はうなずいて、チラリと坂口さんを見る。

「ん?なんだ?」

「あの…ですね、坂口さんは自分では気がついていないでしょうけど、とても歩くのが早いんですよ。」

私が何を言いたいのか分からないようで、眉間にしわを寄せる坂口さん。

「私はさっきついていけなかったんです。」

あっ…、坂口さんはそんな表情をした。

「済まない、そういう事か。」

「ただそれだけの事だったんですけど、私には仕事のすべてがそうなってしまうんじゃないかと思ってしまったんです。」

「えっ?」

坂口さんは大きく目を開いた。

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