ちゃんと伝えられたら
「えっ?」

私は坂口さんの方を見た。

坂口さんはスマホを掲げている。

「そういう事だから、早く片づけをしろ。寺本さん、申し訳ありません。」

坂口さんの慌てた態度に、寺本さんも譲歩する。

「会社からの連絡なら仕方ないですね。」

「用意出来ました。ではまたよろしくお願いします。今日はお疲れ様でした。」

私は寺本さんに挨拶をする。

坂口さんに促され、私は慌ててその後を追う。

でもその歩みは心なしか私を意識しているようで、手の届きそうな距離がずっと保たれている。

二人して社用車に乗り込むと、私は即座に聞いた。

「坂口さん、一体何の連絡だったのですか?」

「ああ、あれね。」

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