教育係の私が後輩から…
K社へ用があると言っていた七本は、特に誰と話すことも無く、ただ私に付いていた。
そして、帰りのタクシーの中では、ずっとスマホを触っていた。
「七本、広報の斎藤さんに会わなくて良かったの?」
「あーそんな事、言ってたな?
忘れてたわ!
また、改めて挨拶に行くわ?」
何が忘れてたよ!?
誰かに会うなんて元々なかったくせに!
「じゃ、あんたは何しにきたのよ!?」
「猪瀬さんが、付いてこれないとなれば、俺が付いてるしかないでしょ?俺をアピールするチャンスだし?」
「アピールって誰に?」
「お前に決まってるだろ!?
有馬社長宅でのお前、マジすげぇー綺麗で、俺のムスコが久々にビンビンだった。」
お前は中学生か!?
「そんな物ただの生理現象で、好意とかじゃ無い。中学生がエロ本見て勃つのと同じ!」
「違う!それだけじゃ無くて、俺を助けてくれた優しいお前を好きになったんだ。」
「私、あんたを助けた覚えないよ?
あれは会社の利益の為で、七本の為じゃない。
会社の業績が悪くなれば、ボーナスに関わるかもしれない。
だから、動いたの!!」
「良いよ…なんと言っても?
お前の優しさは十分、今回で分かったから!
兎に角、俺は本気でお前が好きだ。
じゃ無かったら、会社で、公開告白なんてしない!
だから、お前の事は俺が守る!」
「あっそ?
で、あんたは、さっきから、なにをコソコソやってるの?」
「え?…」
「さっきから、誰かに連絡してるでしょ?」
「社内のパソコンてさ?
外から侵入するの難しいけど、中からは簡単に、何処のパソコンにも侵入出来るらしいだよね?
勿論、専務のパソコンにも!
で、危機管理部に居る後輩の伊藤に、専務の事調べる様に頼んだんだ。メールの解析なんかを!」
「バカ!!あんたなにやってるの!?そんな事、した事がバレたらクビだよ!?あんたも、その後輩も!すぐ、その子にやめさせなさいよ!!」
「だけど、佐伯のケガ…」
「いいから、すぐ連絡してやめさせて!!私のケガに専務は関わってない!」
「え?」
「だから、バレないうちに!」
七本は、その後輩に直ぐ連絡を入れ、間一髪のところで、専務のパソコンには侵入せずに済んだ。
「ホント馬鹿なんだがら!!」
「ごめん…でも、誰が犯人なのか見当ついてるのかよ!?」
「多分。」
「誰だよ!? 教えろよ!?」
「馬鹿には教えない!」