教育係の私が後輩から…

就業時間になると、私は拉致られる様に誠一郎に会社の駐車場へ連れてこられた。

「なにするの!? 離して!!」

「乗って下さい!」

誠一郎は、そこにある社用車のドアを開け、私へ乗れと言う。

「どうして!? 私、まだ仕事有るんだから!? 離してよ!!」

だが、誠一郎は私の訴えを聞き入れず、無理やり私を車に押し込み、発進させた。

暫くすると、高速の街灯が私達の車の横を走り去っていく。

「どこまで行くの!?」

私の問いに、誠一郎はなにも答えずにいた。

どこまで行くんだろう…?
ずっと北へと走っていた気がする。
そして車が止まり、連れて来られた場所は全く知らない高台。

寒っ…
ここ何処…?

車を降りると眼下には町の灯が広がり、
そして頭上には無数の星。
あまりの綺麗さに、天を仰ぎ、私は届くはずのない星へ、思わず手を伸ばしていた。

「きれい…」

「ですよね?」





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