教育係の私が後輩から…

誠一郎は顔を合わせる度、付き合ってくれと言う様になった。

いくら社長から聞いていたと言っても、恋愛対象にならないはず。

「宣美さんって…」

なに?

「言いたいことあるなら言いなさいよ?
途中で止められると気になるでしょ!?」

「あなたは…
僕の容姿や家柄、財力に心奪われない賢い女性。
そして何よりも、自分の意志を持っている。
そんなあなたの姿は美しい…」

「それはどうも?」

「宣美さん、あなたは、特別口が上手い訳でもないし、凄く綺麗な訳じゃないのに…契約数高いですよね?」

「ちょっと! あんたなにげに私を貶してない?
それから、下の名前で呼ぶの止めてって何度も言ってるでしょ!?」

「えっ?どうしてですか?」

「誤解を招く!
他の女子社員は良いかもしれないけど、私は嫌!
会社では上下関係はっきりしなさい!」

一度は上司に楯突いて、左遷された私が言えたもんじゃないけど?

「兎に角、変な噂たてられるとあんたも困るでしょ!?」

「僕は構いませんよ?」

「……私が困るの!!」

「じゃ一度食事に付き合ってください。」

「新歓もしたし、七本と三人で食事したじゃない?」

「いえ、二人っきりで、食事がしたいです。」

「うちで食べたじゃない?
あの時は酷い目に合ったけど?」

「すいません。
あの日の事は、何度でも謝りますから、
もう一度だけ、食事に付き合ってください。
そしたら、誤解を招く様な事はしませんから?」

「わかった。あと一度だけね!?」

これで、誤解を招く呼び方されないなら、安いもんだ。





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