教育係の私が後輩から…
「ありがとうございます。
じゃ、宣美さんの気が変わらないうちに、
今夜の宣美さんの時間を僕に下さい。
店予約しときます。」
「今夜?」
「武士に二言はないですよね?」
いや、私武士じゃないから!
でも、仕方ない。
これで、私を諦めてくれるなら良い。
「分かった…。」
会社の人達に見つからない様に、会社から少し離れたところで、待ち合わせをして、誠一郎の予約してくれたレストランへ向かった。
誠一郎が美味しい店だと言うだけあって、料理はとても美味しく、ワインの品揃えも豊富で大満足した。
誠一郎がもう少し飲みたいと言うから、仕方なく誠一郎の行きつけだと言うバーで、もう少しつきあってあげることにした。
「少しだけだからね?」
「宣美さんって、特別綺麗な訳じゃないし、特別スタイル言い訳じゃないし、普通ですよね?」
あ゛?
「でもなんか目を引きます。凄く一生懸命だし、僕には女神に見えるんですよ?」
「あんた、酔ってるの?」
「酔ってませんよ?
でも、貴女に酔ってます。」
そんな口説き文句、今は、死語だよ!? 死語!!
「貴女は小さな仕事でも、手を抜かないし…」
「当たり前でしょ!?
どんな小さな仕事でも、相手にとっては大切な仕事。
勿論、私にとっても大きいも小さいもない。
一つ一つ大切な仕事よ!」
私の事馬鹿にしてるかと思えば、彼の目は真剣で、真っ直ぐ私へ向けられ胸を射抜く。
怖い…
このまま流されそうで…
早く離れよう。
「さっ! 帰るわよ?」
「えっ? もう少し…」
「ごめんね、坊や? 私、この後デートなの! ここからは大人の時間よ? 君は早くママの元へお帰りなさい?」