教育係の私が後輩から…
またもや、私がトイレに居るとも知らず、女性陣の妬みや嫌みが始まった。
いつの時代も、女はトイレで噂話をするのが好きなようで、私も慣れてはきたが、流石に、今、出て行くのは気がひける。
なんかこれ、日課になってない?
もぅ…早く出てってくんないかな?
『ネェ聞いた? 猪瀬さんと淫乱女の事!』
『あー聞いた! 猪瀬さんがプロポーズしたって? でも、いくら猪瀬さんが優しくても、真に受けちゃダメでしょ? いい歳してそんな事も分からないかなあの淫乱女!?』
『猪瀬さんには、小林総合病院長のお嬢様とのお見合い話が進んでるらしいよ?』
へーそうなんだ?
お見合いか…
あっても不思議じゃないよねぇ…?
『もし、猪瀬さんがお見合い断って佐伯さんと結婚したらどうする?』
『いくらなんでもそれはないでしょ? あの女だって自分が相応しくないことくらい分かってるでしょ? あんな女と結婚したら、猪瀬さんまでなんて言われるか…』
『ないわー! 猪瀬さん可哀想…』
そんなこと言われなくても分かってるわよ!
昨夜だって、拒もうとしたら拒めた。でも、誠一郎の気持ちが嬉しくて、受け入れてしまった。
あの時の私はただの女だった。
でも、彼に何も望まない。
誠一郎もそのうち目がさめて分かるはず、一時の気の迷いだって事が…