教育係の私が後輩から…
「子供って、生まれるまで十月十日だっけ?」
「知らない。産んだ事ないもん。」
「酒もそうだけど、カフェインも良くないらしいから、コーヒーも飲んだら駄目だぞ?それから甘いもの取りすぎも良くないらしいけど、それに関しては宣美は心配ないな?」
そう。
私は甘いものは苦手。
コーヒーもブラックで飲む。
「あっ塩分の取り過ぎも気を付けろよ?
酒好きはどうしても塩っけの多いものを
好むからな?」
何なの!?
ひとを妊婦扱いして!
まだ何も決まってないのに!!
「凄く詳しいね?」
「色々調べたからな?」
「経験者見たいね!?」
「なに宣美妬いてるの?」
「別に!」
イライラしてる自分に、よけいイラつく。
別に誠一郎が経験者だろうと私には関係ない。
妊娠だってきっとしてないと思う。
私自身が望んで無いのに…
望んで無い私の所にコウノトリなんて来やしない。
もし、間違って来たとしても…子供が不幸になる。
だからその時は…
その時は…
目頭が熱くなり、いつのまにか溢れていた涙を、誠一郎が拭ってくれていた。
「宣美?」
「ごめん…今朝から体調悪くて…」
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫。今日は…」
「側に付いてるから、心配しないで休みな?」
「ごめん…悪いけど、今日は帰ってくれるかな?」
「…宣美…本当は何かあったんじゃないのか?」
「何かなんてある訳ないでしょ?
一人でゆっくり寝たいだけ。 ごめん。」
「分かった。じゃ、俺帰るけど、何かあったら、すぐ電話しろよ?」
「有難う。」