限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「俺も真帆が好きだから、していいよね?」

「えっ、何を……んっ」


開いた口はキスで封じられてしまう。

私がした軽いキスとは違い、しっとりとした濃厚なキス。与えられる刺激に強張っていた体の力が抜けていく。いつの間にか腕は離されていて、彼の左手は私の胸に触れた。

まさかそこまで触られると思っていなかったが、体は反応してしまい、「んふっ……」と声にならない声が出る。

こんな声を聞かれるのは、恥ずかしい。

しかしその時、大ちゃんの動きがピタッと止まった。

えっ、なに?

私、変な反応しちゃった?

私の胸の感触がお気に召さなかった?

止まった理由を瞬時にあれこれ考える。何がいけなかったのだろう?

大ちゃんは私の胸にある手を見てから、私の顔をじっと見る。それから慌てて、その手をどかして私の体を起こした。

その顔は沈痛な表情で、何事かと不安になる。


「ごめん!」

「えっ……」


何で謝られたのか分からない。

思いがけないことに、熱くなっていた頬の熱が冷めていく。大ちゃんは自分の髪をかきむしって、うなだれた。
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