限りない愛~甘い彼に心揺れて~
いまだキョトンとしている私の頬を優しく撫でる。さっきまで焦っていた顔が今は穏やかになっていた。

私の心も大ちゃんの穏やかな笑みで、落ち着いていく。ちゃんと聞いて、勘違いしているなら何を間違えた解釈をしたのか考えよう。


「コーヒー、淹れようか?」

「ううん、いい。それよりも……」

「そうだね。まずは話さないとね」


私が頷くと優しく微笑んでから、言葉を紡いだ。しっかりと私の目を見ながら。


「真帆、俺と結婚して」

「えっ?」


一瞬何を言われたのか分からなく、聞き返す。なんかすごいことを言われた気がするけど。

大ちゃんは小さく笑って、同じことを言う。


「俺と結婚してと言ったんだけど。嫌なの?」

「嫌って……何が……えっ、ええっ! け、結婚? 大ちゃんと私が?」

「そう。結婚したらずっと一緒にいられるよね?」

「うん、そうだけど。大ちゃんが結婚したいと思う人って、私なの? 嘘でしょ?」


夢なのかとつい手の甲をつねる。痛い……。夢の中での話ではない。

だけど、結婚?

本気なの?
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