限りない愛~甘い彼に心揺れて~
特異な過保護
週の半ば、まとめていた業務が一段落し、パソコンから目を離してホッとひと息つくと、他のことを考える余裕が出てくる。

首の凝りをほぐすべく大きく何度か回していると、脳内にムクムクと愛しい人の顔が浮上してきた。柔らかな笑みを浮かべる大ちゃんの顔だ。

再度気持ちを確認しあった土曜日は、甘い雰囲気になり、このままお泊まりかなと期待したが、夕食後あっさりと家まで送られてしまった。

次の日も休日だから、朝まで一緒に過ごしたかったのに「今日は我慢する」と大ちゃんが言った。「何で?」と我慢する理由を訊くと認めてもらうまでキス以上はしないと言う。

真面目というか、誠実な大ちゃんに感心したが、ちょっと物足りなさに寂しくなったのは私だけの秘密。

大ちゃんのおじいさんが前にも聞いたが、厳しい人らしくそれなりの家柄の女性を結婚相手に選ぶようにと数年前から言われていて、見合いも勧められていたそうだ。

だけど、見合いではなく、自分で選んだ人としたいからと断っていたという。そういう相手に巡り会えなかった時は見合いするしかないとは思っていたそうだが。
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