限りない愛~甘い彼に心揺れて~
会長が座ったのを確認してから、ユリナさんと私は腰を下ろした。


「少し早いのだが、お昼をみんなで食べようと思って、お呼びした」

「あ、すみません」


ユリナさんが再度立ち上がり、丁寧に頭を下げてから、会長を真っ直ぐと見つめる。


「本日はお誘いいただきありがとうございます。素敵なお誘いですが、このあと予定がありますので、申し訳ありませんが失礼させていただきます」

「ん? そうなのか?」

「はい、あの、クリスマスイブなので出掛ける予定が前々からありまして」

「もしかして、大祐ではない人とデートかね?」


会長はチラリと大ちゃんに目を向けてから、ユリナさんに確認する。ユリナさんはデートだと知られてしまったのが恥ずかしいようで、ほんのり頬を染めて「はい」と返答した。


「実は秋頃からある方に交際を申し込まれていまして……私の心は大祐さんに向いていたので、お断りしていたのですが、諦めず何度も来られているうちに…」

「とうとう落とされたということか、なるほど」


会長はユリナさんの恋愛事情に耳を傾け、優しそうに微笑む。
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