限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「よし、じゃあ、クリスマスランチにしよう。付き合ってくれるよな?」

「もちろん、いただきます」


ダイニングルームに移動して、用意された美味しい料理を堪能した。今日は美味しいディナーの予定もあるから、贅沢な日だとひとりひそかに思う。

会長は夕方からお友だちとのクリスマスパーティーに出掛けるらしく、大ちゃんがくれぐれもはしゃぎすぎないよう気を付けてと言っていた。


「じゃあ、私は出掛けるまで少し休むから、大祐たちは好きに出ていくといい」

「はい、今日はありがとうございました」


会長は背を向けてから手を上げて、出ていく。


「あの人は寂しがりやなんだよ。いつも先に行く。見送るのが嫌いなんだよね。見送ると残されてしまう感があるから、嫌なんだって。昔、おじさんが教えてくれた」


大ちゃんがいうおじさんとは社長のことだ。大ちゃんはここに引き取られてきた時の話をしてくれた。

大ちゃんのお母さんは会長にお父さんとの結婚を反対されたので、勘当同然で結婚して家を出たそうだ。
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