限りない愛~甘い彼に心揺れて~
母さんのお母さん、すなわち大ちゃんのおばあさんだけが連絡を取っていて、大ちゃんが生まれた時は泊まり込みで手伝ってくれた。

普通なら里帰りするのだが、会長が許さなかった。

それでも、おばあさんの仲介の元で誕生日とクリスマスにはここに呼ばれた。孫にプレゼントをあげたいからと。

本当にプレゼントを渡すだけの10分くらいしか顔を合わせなく、みんながお茶を飲みながら談話しようとしても会長だけはひとり先に出ていき、自分の書斎にこもったらしい。

その頃から送る寂しさを感じたくなく、冷淡に見える態度を取った。寂しがりやで不器用な人なのだろう。

おばあさんは三年前になくなっていて、大ちゃんもここを出ていたから、寂しさは増すばかりだったようで、結婚を急かすようにもなったそうだ。


「おじいさんを安心させて、新たに増えた家族との楽しい時間もあげたいとは思った。だけど、結婚となると簡単に決めれるものじゃない。俺に気持ちが出来るまでと待ってもらっていたけど、本当にしつこくて大変だったよ」


寂しいがゆえに、孫に無理を言ったのだろう。今となっては笑い話にも出来るけど、プレッシャーは大きくなっていたようだ。
< 180 / 202 >

この作品をシェア

pagetop