限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「こちらが大祐さんからリクエストされた『クリュッグ ロゼ』になります」
「すみません、無理を言って用意していただき、ありがとうございます」
「わあ、ピンク色! きれい!」
亜依子さんがグラスに注いでくれたシャンパンはきれいなピンク色で、きめ細かな気泡が浮かび上がる。
「メリークリスマス」とグラスを傾けてから、口に含む。冷たいシャンパンが舌の上を滑らかに通り抜け、喉へといく。
「美味しい……」
「うん、美味しいね」
初めて飲むシャンパンだったが、微かな甘い香り、ドライな喉ごしにフルーティーな味わいに感動した。
なんだか高級そうな味だと、ふと他のテーブルに目を向ける。
あれ? 他の人が飲んでいるシャンパンと色が違う。
そういえば、大ちゃんがリクエストしたと亜依子さんが言っていた。
「もしかして、これものすごく高いの?」
小声で訊ねると大ちゃんはクスリと笑った。
「値段は関係ないよ。俺が今まで飲んだ中で一番美味しいと思ったシャンパンだから、真帆にも飲んでもらいたかったんだ。それと、幹太さんにクリスマスメニューを教えてもらって、これが合うと思ってね」