限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「王子様に頼まれたら、断れないからね。ご満足していただきましたでしょうか? こちらはフォアグラのテリーヌになります」
「王子様とか言わないでくれる? 無理を聞いてくれて、ありがとう。真帆が喜んでくれたから、良かったよ」
兄から王子様と言われた大ちゃんは不機嫌な表情を一瞬だけ見せるが、私を見る目は相変わらず甘い。
「はい、はい。お姫様が満足しているようでなによりだね。最後までゆっくりと楽しんで。あ、そうそう、今夜はもちろん泊まりだよね? うちの娘たちがまた寂しがるな」
「悪いけど、今夜は独占させてもらうよ」
「ほお、さすが言うことが違うね。では、素敵な夜を」
兄は手をひらひらさせて、厨房へ戻っていった。
一応泊まる予定にはなっていて、母にも話してはあるが、兄にまで知られると恥ずかしい。俯きがちに食べていると、また甘い言葉が聞こえてきた。
「今夜は眠れないよね。もったいなくて、眠れない。真帆、ちゃんと寝ないで相手してよ」
「な、なにの?」
いったい何の相手をしろと言うのだかと思ったけど、すぐに聞き返したことを後悔する。何って分かりきったことだった……。
「王子様とか言わないでくれる? 無理を聞いてくれて、ありがとう。真帆が喜んでくれたから、良かったよ」
兄から王子様と言われた大ちゃんは不機嫌な表情を一瞬だけ見せるが、私を見る目は相変わらず甘い。
「はい、はい。お姫様が満足しているようでなによりだね。最後までゆっくりと楽しんで。あ、そうそう、今夜はもちろん泊まりだよね? うちの娘たちがまた寂しがるな」
「悪いけど、今夜は独占させてもらうよ」
「ほお、さすが言うことが違うね。では、素敵な夜を」
兄は手をひらひらさせて、厨房へ戻っていった。
一応泊まる予定にはなっていて、母にも話してはあるが、兄にまで知られると恥ずかしい。俯きがちに食べていると、また甘い言葉が聞こえてきた。
「今夜は眠れないよね。もったいなくて、眠れない。真帆、ちゃんと寝ないで相手してよ」
「な、なにの?」
いったい何の相手をしろと言うのだかと思ったけど、すぐに聞き返したことを後悔する。何って分かりきったことだった……。