限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「お願い、シャワーを浴びさせて」

「そのままでも気にしないのに。どんな真帆でも愛せるのにな」

「でも!」

「分かったよ。先に行っておいで」


私は頷いて、バスルームに入ったが、頭の中では大ちゃんが言った『愛せる』が繰り返されていた。

さらりと言っていたけど、よく考えたら、すごいことを言っていた。私だって、どんな大ちゃんでも愛せるけど、簡単に口に出せない。やっぱり大ちゃんはすごい。

なにがすごいって……恥ずかしげもなく言えてしまうことだ。

「きゃー」と私は口元を覆ってから、シャワーをかぶった。

その直後、バタバタと小走りする音が聞こえ、曇りガラスのドアが叩かれる。


「真帆、大丈夫か? なんか悲鳴が聞こえたけど」

「えっ、あ、えっと、大丈夫だよ」


大ちゃんのシルエットが薄っすらとドアに見えて、私はしゃがみこんだ。


「本当に大丈夫? お腹を押さえているみたいだけど、痛い?」

「ううん、痛くないよ。大丈夫だし、すぐに出るから待っていてくれる?」
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