限りない愛~甘い彼に心揺れて~
寂しそうに頬笑む父を母が慰める。嫁に出てしまうと寂しくなる。だけど、家族が増える。
母のように考えると、結婚したらみんなの幸せが増えると思える。だけど、残念なことに相手がいない私は、幸せを増やせる自信がない。
ひとりこっそりとため息をつきながら、副社長の方へと視線を移す。彼は変わらず、専務と楽しそうに話していた。独身だと言っていたけど、お相手はいないのだろうか。
将来社長になる人だから、それなりの女性とのお付き合いがあって、結婚も決まっているのかもしれない。
そんな誰もが想像できることを考えてしまい、胸が痛んだ。
子供の頃のことだけど、好きだった人だ。大ちゃんが誰かひとりの女性を愛するなんて、信じられないし、信じたくない。
小さい私をいつも『かわいい』と言ってくれていて、それが魔法の呪文のように思えた。だから単純な私は、優しい大ちゃんのかわいいお姫様になるんだと純白なドレスを着ることを夢見ていた。
思いがけずいなくなってしまい、儚く散った夢。兄は独身だから良かったと簡単に言うけど、一度散った夢は簡単に戻らない。
もし戻ったとしても、夢は夢で終わる。将来社長になる彼と私の未来が重なり合うわけはない。
母のように考えると、結婚したらみんなの幸せが増えると思える。だけど、残念なことに相手がいない私は、幸せを増やせる自信がない。
ひとりこっそりとため息をつきながら、副社長の方へと視線を移す。彼は変わらず、専務と楽しそうに話していた。独身だと言っていたけど、お相手はいないのだろうか。
将来社長になる人だから、それなりの女性とのお付き合いがあって、結婚も決まっているのかもしれない。
そんな誰もが想像できることを考えてしまい、胸が痛んだ。
子供の頃のことだけど、好きだった人だ。大ちゃんが誰かひとりの女性を愛するなんて、信じられないし、信じたくない。
小さい私をいつも『かわいい』と言ってくれていて、それが魔法の呪文のように思えた。だから単純な私は、優しい大ちゃんのかわいいお姫様になるんだと純白なドレスを着ることを夢見ていた。
思いがけずいなくなってしまい、儚く散った夢。兄は独身だから良かったと簡単に言うけど、一度散った夢は簡単に戻らない。
もし戻ったとしても、夢は夢で終わる。将来社長になる彼と私の未来が重なり合うわけはない。